雀巽の日記帳

雀巽が綴る日常の記録

『医師のつくった「頭のよさ」テスト』を読んだ

『医師のつくった「頭のよさ」テスト~認知特性から見た6つのパターン~』を読みました。

医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン (光文社新書)

医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン (光文社新書)

思考や認知の好みを6種類の「認知特性」に分類し、それぞれの特徴などについて書いてある本です。

認知特性とは、外界からの情報を頭の中で理解したり、整理したり、記憶したり、表現したりする方法のことらしいです。

大きく分けると3つで、視覚優位者、言語優位者、聴覚優位者に分類できるそうです。

以下のサイトに目を通すと、本の概要がスッキリわかると思います。

ddnavi.com

個人的には「あーなるほどね」と思うことが書かれていました。 同じ科目でも人によってアプローチが違うことや、得意不得意などもこの辺の特性に基づくと確かにそうかもなーと思うことが多かったです。

自分の認知特性とその特徴を把握しておくと、何かと役立つ気がするので、読んでみると楽しいと思います。 特に、子育て中の人や教師など、子供と関わる人は読んでみると得るものが大きい気がします。

認知特性は以下のサイトでも診断できるので、一度やってみると面白いと思います。

micri.jp

ちなみにやってみたらこんな結果になりました。

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26以上で強い認知特性*1、14以下で弱い認知特性とのことです。

つまり、私は言語抽象 + 聴覚言語の2タイプの特性が強いようです。

■言語抽象タイプ…文字や文章を図式化してから思考する。初対面の人を名刺の文字で覚え、ノートをわかりやすくまとめるのが上手い。内科系医師、作家、教師、金融関係者、心理学者など。

■聴覚言語タイプ…文字や文章を耳から入れる音として情報処理する。難しい話題でも、一度聞くと理解でき、ダジャレや人の言葉尻を捉えるのが上手い。弁護士、教師、落語家、アナウンサー、音を意識できる作詞家など。

あなたに最適な記憶法も分かる!? 自分の「認知特性」を調べてみよう

言語抽象タイプは「言葉に文字や数字、図を系統立てて結びつけるのが得意」で、聴覚言語タイプは「イメージよりも言語そのもので思考を働かせることができる」らしいです。

また、言語抽象タイプは「書いてある言葉」に強く、聴覚言語タイプは「音声としての言葉」に強いというのが大きな違いですが、どちらも言語優位ということで被る点も多いようです。要するに完全なる左脳優位者。

まとめると、書き言葉も話し言葉も「言語という抽象的なイメージ」として処理するタイプ、と言えると思います。

裏を返すと情報処理に映像を使わない傾向にあるとも言えそうです。

これに関しては「予想通り & 仰るとおり」感があって、なかなか納得できます。

で、これをどう活用するかというと、例えば自分にあった勉強法や暗記法を行う、認知特性を意識したコミュニケーションを行う(認知特性が違えば同じことを聞いても同じように理解するわけじゃない)など、色々あります。

詳しくは本を読んでください!笑

ただ、この本には「解答」は載っていないので、認知特性を知った後は自分次第……と、いう感じです。

雑にまとめると「人それぞれ違う」ということを認知特性という視点から理解できる、そんな本でした。

*1:このサイトの方では46以上で強い認知特性となっていましたが、本では26以上が強い認知特性となっていました。 サイトと本では設問数が違うので46が正しい可能性もありますが、46はちょっと極端すぎる気がするので、26の間違いじゃないかなと思っています。

「イシューからはじめよ」が噂通り良書だった

『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』を読みました。

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

「知的生産の本質」について書かれた本で、序章の「この本の考え方」に非常に共感でき、読んでいて面白かったです。 「犬の道」という表現が出てくるのですが、まさに生産性の違いの本質を簡潔に表している気がしました。

印象に残ってる部分を復習がてら簡潔にまとめてみます。

「悩む」と「考える」は違う

  • 悩む - 「答えが出ない」という前提
  • 考える - 「答えが出る」という前提

根性に逃げるな

  • 労働時間なんてどうでもいい
  • うさぎ跳びを繰り返してもイチローになれない

良いイシューとは

  1. 本質的な選択肢である
  2. 深い仮説がある
  3. 答えを出せる

1次情報に触れる

  • 1次情報とは誰のフィルター通ってない情報。
  • 2次情報だと「情報を切り出した断面」になってしまう。

「集め過ぎ」と「知り過ぎ」のデメリット

  • 集め過ぎる新しい取り込みのスピードが鈍る
    • いわゆる100%までの労力とそれ以下までの労力の相関の話
  • 知識が増えすぎると、その知識の枠で答えが出せてしまうので知恵が減る
    • 「知り過ぎたバカ」にならないように注意

脳は「異質な差分」を協調して情報処理をする

  • 脳は「異質な差分」を協調して情報処理するように進化している

うどんの匂いが食べているうちに数パーセント弱くなってもすぐには察知できない。 同じ形のグラフやチャートが続くと、2枚目以降に関しては認知する能力が格段に落ちる。

「理解する」とは「情報をつなぐこと」

  • 脳神経系では「2つ以上の意味が重なりつながったとき」と「理解したとき」は本質的に区別できない
    • 「情報のつなぎ」が起こらないと記憶は消える
    • 「情報のつなぎ」を繰り返すことで理解が進み記憶が定着する

いくつも手法をもつ(固執しない)

  • 「もっている手札の数」「自分の技となっている手法の豊かさ」がバリューを生み出す人としての資質に直接的に関わる
    • 最初の5年や10年はなるべく広い経験とスキルの育成に励むべき

完成度よりも回転数(エレガントよりもスピード)

  • 何度も取り組む(回転をあげる)ことでレベルを上げる
    • こちらもいわゆる100%までの労力とそれ以下までの労力の相関の話

「デルブリュックの教え」

ひとつ、聞き手は完全に無知だと思え
ひとつ、聞き手は高度の知性をもつと想定せよ

「賢いが無知」というのが基本とする受け手の想定となる。

実験の2つの結果

  • もし結果が仮設を確認したなら、何かを計測したことになる
  • もし結果が仮設に反していたら、何かを発見したことになる

仮説が崩れたら「発見だ!」と思うぐらいの気持ちでよい。

本当にイシューかどうか振り返る

「この作業ってほんとうに意味があるのか?」と思ったら立ち止まって、「それは本当にイシューなのか?」と問いかけることからはじめる。

感想

一言でまとめてしまうと正しい問題*1設定と仮説検証が重要、という話だと思います。 この本では、これをいかにうまくやれるかが生産性に大きく寄与するということの説明と、それを実践するための手法や考え方について書かれています。

序章の「考え方」についてが本当に「知的生産における生産性の本質」をついてると感じるので、是非そこだけでも読んでみて欲しいです。

「犬の道」に踏み込まないように気をつけていきたいですね。

知的生産の本質を教えてくれる良い本でした。

*1:日本語の「問題」だと、"problem", "issue", "question" と意味が広いので、この本では意味を明確にするために「イシュー」と呼んでいるんだと思います。

「aとtheの底力」が英文の見え方を変えてくれる良書だった

「aとtheの底力 -- 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界」を読みました。

aとtheの底力 -- 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界

aとtheの底力 -- 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界

あまりに面白くてほぼ1日で読みきってしまいました*1

どう頑張っても劣化した説明しか書ける気がしないので、本の内容に関しては言及しませんが、英文の見え方が変わったなぁという感じがします。

1年前に英語の勉強を開始した際に読んだ一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)も「コイツは革命だー!」という気持ちになったのですが、 この本もまた新しいイメージを身体の中に作ってくれる良書でした。

とても面白いし読みやすいので、冠詞って謎だなぁと思っている人は一度読んでみて欲しいです!

久しぶりにあまり苦しまずに読みきれましたっ!

*1:寝落ちと戦うために途中から立って読んでました。本読んでると凄い確率で寝落ちします……。

「今までにない前置詞講義」が確かに今までにない感じだった

「今までにない前置詞講義」を読みました。

今までにない前置詞講義

今までにない前置詞講義

色々評価が高い前置詞本がある中でこれを選んだ理由ですが、 前置詞どうしの因果関係を点→線→円と立体的に関連付けて解説している点に惹かれたためです。

読んでみた結果、確かに今までにない感じだなと思いました。 ただ、全体的に独自理論な感じがするので、人を選ぶかもしれません。

個人的には、これまでにない考え方で前置詞に触れることができてかなり有意義でした。

自分の中の前置詞のイメージが一段厚くなった感じがします。

語学全般そうだと思いますが、特に前置詞に関しては身体に叩き込むしかないと思うので、 こんな感じでいろんな方向からインプットしていきたいです。

英語沼から抜け出せる日を夢見て……。

「発信型英語 類語使い分けマップ」がとても良かった

「発信型英語 類語使い分けマップ」を読みました。

発信型英語 類語使い分けマップ

発信型英語 類語使い分けマップ

タイトルどおりの内容で、とても良かったです。

アウトプットする際に良く使用する語彙がかなり網羅的に載っており、各グループごとの類語の説明もとても丁寧に書いてありました。

「これってそういう意味だったんだ!」となることも多く、基本語彙でも表面的な理解しかしてなかったんだなぁと思い知らされました。

また、知らない語彙もたくさん載っていました。それについては当然一度読んだだけでは覚えられないので、 「この辺りの類語ってどうなってたっけ?」と普段から意識し、ちょこちょこ読み返していきたいと思います。

まさに発信力をあげるための良書でした。

スマホアプリで歌声をスペクトル分析してみたら面白かった

先日カラオケ後、色々あってアナライザーで声を分析して遊んでました。

ミドルボイスとファルセット*1、つまりいわゆる「地声っぽい裏声(実声)」と「裏声らしい裏声(仮声)」で明らかに違いが出て面白かったです。

面白かったのでキャプチャして検証してみました。

家で恐る恐る声を出した際のキャプチャなので、普段の歌声通りではないと思いますが、それに近くなるように頑張ってみました。

使ったアプリはこちら。

play.google.com

まずは「地声っぽい裏声」です。

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そしてこちらが「裏声らしい裏声」です。

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それぞれ hiA*2 を狙って声を出しています。

一番左側の山が基音である A 440Hz 付近で、それより右の山は順に、2倍音、3倍音、という感じだと思います。 2倍音はオクターブ上、3倍音は1オクターヴと完全5度、4倍音は2オクターブ、5倍音は2オクターヴと長3度上の音です。

そして明らかに地声っぽい声の方が倍音の出方が強いです。というか、一部倍音の方がでかく出ています。 特に3倍音、つまり1オクターブと完全5度上の E 音がかなり大きく出ています。

この辺が地声っぽく聞こえる理由な気がします。 というわけで、今度はオクターブ下の A を「普通の地声」で出してみました。

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こちらもやはり3倍音の出が大きいです。この3倍音が強く出るのが「自分の地声の特徴」なのかなーという感じがします。

普段から声がよく通る*3と言われるのですが、それもこの倍音の出方が関係ありそうな気がします。 声の特徴が図として表示されるので色々と面白いですね!もっと細かく詳しく、色々な人と比較しながら見ると更に面白そうです!

科学的アプローチによる超効果的なボイストレーニングレッスンを受けたい……!

*1:だとそれぞれ自分では思っている声

*2:A4: 440Hz

*3:というか、うるさい

「楽々ERDレッスン」が実務で役立つ実践的な良書だった

「楽々ERDレッスン」というデータベース設計に関する書籍を読みました。

楽々ERDレッスン (CodeZine BOOKS)

楽々ERDレッスン (CodeZine BOOKS)

タイトルでも書いたとおり、かなり実践的で役立つ本です。

「教科書的な知識はあるけど、実務経験があまりなく自信がない」という人にピッタリの本だと思います。

読んでいる最中に「あ、そうそうこれ困るんだよね」とか「ここはこういう風に考えたら良かったのか」とか「あの時の俺の判断は正しかった……!」とか、 これまで自分が実際にデータベース設計をする際に遭遇した「教科書通りにいかなかった点」がいくつもあり、読んで非常に楽しかったです。

以下の記事でも軽く触れました*1が、 この本が提案する ID とコードの捉え方については自分的には目から鱗でしたので、 一度目を通してみることをオススメします!

necojackarc.hatenablog.com

ID はそのレコードへのポインタであり、データライフサイクルを表す。 コードとは業務に基づく恣意的なもの、というのがザックリとしたまとめです。

ID リクワイアドもこの観点でみると、アリだなぁという気がします。 実際便利なことも多く、他で制約をキッチリつけておけば問題を引き起こすことも少ないと思います。

とまぁ、そんな感じで非常に有用な本ですので、実践的なデータベース設計について学びたい方は是非読んでみてください!

ただ、正規化などの基本的知識に関する内容についてはこの本には書かれていないので、 一旦他の本で「教科書的な知識」を身につけた上で取り掛かるのが良いかなと思います。 あくまでこちらは「データベース設計の実践入門」という位置づけだと思います。

RDB 力あげて行きましょう(´∀`∩)↑age↑

*1:この記事を書いた当時は、軽く立ち読みしただけでちゃんと読んでいませんでした。