雀巽の日記帳

雀巽が綴る日常の記録

イギリスで日本人同士が結婚する方法

イギリスにて結婚式を挙げて来ました!

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日本で結婚する場合と違う点が多々あるので、誰かの役に立つことを願って書き残しておきたいと思います。

まず、イギリスでは結婚するのに式が法的に必須で、結婚式の日が正式に結婚した日になります。 そのため、日本のように「結婚してても結婚式ができる」「結婚式をしても結婚しなくても良い」と言った摩訶不思議な現象は起きません。

しかし、法的に式が必須ということはつまり、法的に結婚するまでのステップ数が日本よりも多い、ということも意味します。 日本方式の「書類を提出して終わり」と比べると、やることが格段に増えるので、それを解説していきたいと思います。

まずはざっくり、イギリス方式で結婚するメリットとデメリットです。

イギリス方式婚姻のメリット

  • イギリス国内で正式に婚姻が認められ、婚姻証明書が手に入る
    • 日本方式の場合、婚姻の証明に「戸籍謄本(抄本)+ 英語訳」が毎回必要になる
    • 日本方式の婚姻に対する婚姻証明書は発行されない(昔は対応してたらしいです)
  • 結婚式場が安い!
    • 人気の結婚式場を土曜日に予約したのですが、支払い時のレートで7万円少々でした

イギリス方式婚姻のデメリット

  • 手続きが多い
    • これから説明します

日本方式 vs 英国方式

実は、「日本大使館に婚姻届を提出する」という方法でも、イギリス国内で日本人同士であれば婚姻は可能です。 ただしその場合、「イギリス政府がその婚姻を認めない可能性」があります。大使館のページにもその記載があります。

この方式は、日本の法律に基づいて婚姻が成立するものであり、英国の法律でこの婚姻が認められるとは限りません。

やや曖昧な書き方ですが、大使館に確認したところ、過去に実際認められなかったケースがあるとのことです。 理由としては以下の通りです。

  • イギリスでの婚姻は、公的に認められた結婚式場で、法的に認められた手続きを踏まないと成立しない
  • イギリスに住んでおり、イギリス(日本大使館)で婚姻をしたにも関わらず、上記を満たしていない
    • 日本大使館はそもそも結婚式場として登録されておらず、かつイギリスでの婚姻に必要な手続きも踏んでいない

ちなみにこうなってしまうと基本的には詰みです。

  • イギリスで婚姻するには、どの国においても婚姻状態で無い必要がある
  • イギリス政府は認めないが、日本国においては既に婚姻が成立した状態である

という、困った状態になるからです。

どうしても、日本方式でイギリスに住む日本人同士が婚姻をしたい場合は「日本の役所に婚姻届を送る」か「代理人に日本の役所に提出してもらう」という方法を取る必要があります。 これにより「日本国内において日本方式で婚姻が成立した」ことになり、先程の「イギリスで婚姻したにも関わらず法的な要件を満たしてない」というのを回避することができます。

イギリス方式婚姻の大まかな流れ

  1. Giving notice をローカルレジスターオフィスで行う
  2. Home Office からのレターを待つ
  3. 結婚式場の予約をする
  4. 結婚式の準備をする(証人・スクリプト・音楽)
  5. 結婚式をあげる(婚姻成立)
  6. 婚姻証明書と婚姻届を日本に提出する

Give notice をローカルレジスターオフィスで行う

まずはじめに行うことは、Give notice of intention です。 これは「今度結婚しますよ~」という通知で、少なくとも結婚式の29日前までに行う必要があります。

これは自分の住んでいる地区のレジスターオフィスでのみ可能です。

起源はよくわかってないのですが、「この婚姻に文句のあるものは居らぬか!?」的な感じでの掲示なんだと思います。 正直、21世紀の今これが必要な理由はよくわかりませんが(誰がこの通知を見てるんだ!?)、とにかく必須です。

まずは事前に予約をする必要があります。僕はレジスターオフィスが徒歩圏内だったので、直接行って予約しました。

そして Give notice の当日に必要なものは、

  • パスポート
  • BRP
  • 住所証明 (免許証持っていきました)
  • 証明写真(UK パスポート向けサイズ)
  • 結婚式会場の情報

です。一部ブログで独身証明書への言及もありましたが、確認したところ不要とのことでした。 必要な書類はローカルレジスターオフィスで予約をした際に教えてくれると思うので、そちらをしっかりと確認してください。

また、結婚式会場をこの時点で決めておく必要があります。 もし Give notice 後に結婚式会場を変えたい場合、再度 Give notice を行う必要があるので、会場選びは慎重に!

また、Give notice 自体はローカルレジスターオフィスでしか行なえませんが、結婚式会場は好きな会場を選べます。 個人的なオススメは Old Marylebone Town Hall です!

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オススメな理由はもちろん、僕自身がここで結婚式を挙げたからです!ちなみにポール・マッカートニーもここで結婚式を挙げてます。

Home Office からのレターを待つ

イギリス市民権を持ってなかったり、EU 国籍でない場合*1、Home Office からのレターを待つ必要があります。 どうやら「偽装結婚が疑われる場合には通知期間を70日に延長し調査を行う」そうです。 その調査を行うかどうかの決定を28日以内に Home Office が行うので、その決定通知を待ちます。

何故か僕の場合は Home Office から1ヶ月以上待っても連絡が来なかったので、こちらから連絡しました。 連絡先は Give notice 時にもらう冊子に書いてあると思いますが MarriageReferralTeamGeneral@homeoffice.gov.uk です。 その日のうちに返信があり、「調査は行わず、通知期間は通常通り28日間」というレターが PDF で送られてきました。

また、結婚式場のあるローカルオフィス側にもこの情報は共有されているらしいので、念の為そちらにも同時に連絡しておきました。 ローカルオフィス側からも「Give notice は問題なく完了してるので、結婚式場をここから予約してね~」と返信が来ました。

結婚式場の予約をする

Give notice がいつ終わるか判明したら、結婚式場の予約をします! Westminster での式場であれば a day to remember の BOOK NOW からネットで予約が可能です。

一番簡単なステップ!!

Give notice で伝えた会場を選ぶだけです。

ちなみに Old Marylebone Town Hall は部屋がいくつかありますが、Give notice では Old Marylebone Town Hall 自体を指定するので、好きな部屋がこの時点で選べます。 このあたりは Give notice の際にしっかり確認しておくことをオススメします。

証結婚式の準備をする(証人・スクリプト・音楽)

結婚式当日に証人になってくれる2人を確保し、結婚式のスクリプトと音楽を決めます。 ちなみに証人の名前は婚姻証明書に記載されます!結婚式のスクリプトは必須ですが、音楽は任意です。

また、証人は3人以上も可能です。ただし、最低2人は英語を問題なく理解できる必要があります。 理由としては、「証人」なので、式で何が執り行われたのかを完全に理解できる必要があるからです。

僕の場合は日本から来てくれた友達の名前を婚姻証明書に残したかったので3人目の証人としてサインしてもらいました。

参考までに Westminster のサイトを貼っておきます。

Westminster の場合であれば、上記のフォームに詳細(証人や選んだスクリプト、音楽や指輪交換の有無など)情報を入力して提出すれば完了です。 ちなみに Old Marylebone Town Hall であれば、さらにこちらから紙吹雪の事前予約が可能でした。

結婚式をあげる(婚姻成立)

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婚姻証明書と婚姻届を日本に提出する

イギリスで婚姻が成立したことを日本側に知らせ、戸籍を作成する必要があります。 提出先は日本大使館または日本の役所(日本で普通に結婚する場合と同様)です。

ただ、日本大使館に提出した場合戸籍作成までに6-8週間かかるとのことだったので、僕は本籍地の役所に代理人に提出してもらいました。 日本の役所で処理してもらえば、たいてい1週間以内には戸籍が完成します。新しいパスポートをできるだけ早く作りたかったのでこちらの方法を取りました。

提出書類は以下のとおりです。

  • 婚姻届(ただし証人欄は不要)
  • 婚姻証明書
  • 婚姻証明書の翻訳(自分で翻訳すれば OK)
  • 戸籍謄(抄)本
  • パスポート

詳細な情報はこちらを参照してください。 念の為、提出先の役所に必要書類を確認しておくと良いと思います。

また、戸籍に記載される婚姻日はイギリスで結婚式をあげた日になり、イギリスで婚姻したことも記載されます!嬉しいですね!

👰 Happy Wedding 💒

*1:Brexit 完了しましたが、いつまでこれは維持されるのでしょうか?